意識高い系のはなし

さまざまなことに感度を上げ、発信し、「世界を変える!」みたいなことを純粋に発信しているように見える人たちを、しばしば「意識高い系」として揶揄するような空気すらあると思う。

 

本人たちがどう思っていようと、あるいはどう発信していようと、それが彼らの信じた道ややり方である限りにおいて、それはもう、好きにしたらいいと思う。

そして、そうやって、自分自身に負荷をかけて、精一杯背伸びして、あるいは泥臭くがんばって結果を出している人たちのことは、ほんとうにすごいと思う。尊敬する。

わたしにはできないけれど。

 

わたし自身は、それなりの大企業に就職し、それなりの仕事をして、それなりのお給料をいただいている。

もちろん、それなりには世の中の役に立つような仕事をしている自負はあるし、後ろめたいことをしているわけでもない。

いまのご時世としては、かなり恵まれている。

 

会社入って五年目くらいに、いろいろあって心を病んで、休職にはぎりぎりならなかったけどしんどい思いをし。

そこで助けてもらったパートナーと、結婚もし、いまは安定した生活に戻った。

 

こんな経験をしてくると、

正直、世界を変えるとか、あるいは世の中に影響のあるプロダクトを作る、なんていう高い次元の欲求より前に、精神的な安定や、あるいは家族との平穏な日々を求めたくなってしまう。

 

意識高い系の人たちから見たら、きっと、目標も低く、つまらない人生設計なのかもしれない。

ガイアの夜明け」で、若くして成功した経営者が出てきたりすると、ついつい目を逸らしちゃうのも、そこには、どこかでそういう世界を諦めきれない自分がいるのかもしれない。

 

それでも、じゃあ、もう一度自分に大きく負荷をかけてまで、そういう世界に身をおきたいか、と言われたら、ノーサンキューなのである。

 

平穏で、ちょっとつま先立ちするくらいの意識の高さで、暮らしていけたらいいな。